第4項 益税でも損税でもない中立

改めて消費税の本来のあり方について考えてみると、益税も損税も正しい姿であるとはいいがたく、間接税である以上は、原則的に中立でなければならないのである。その点、西山教授は、EUの付加価値税の現状について紹介する論文の中で、「消費課税の至上命題は、最終消費者に至るまでの一連の取引で生じる税が、この一連の取引に関わる事業者にとってのコストにも利得にもなることなく、すなわち事業者が負担した仕入税相当額が増額したり減額したりすることなく、最終消費者に転嫁されることである」として、「EU域内の消費課税(付加価値税)においては、この命題を『中立原則』(principle of neutrality)と呼び、消費課税制度の基本原則と位置付ける[147]」と紹介している。この中立原則こそが、本来の消費税に求められる原則であり、「消費課税の究極の目標を達成するために消費課税において最も重要な原則である[148]」と思われる。そして、その中立原則を守るための方法を後の論述で探っていくことにする。


[147] 西山由美「消費課税の基本原則-「中立原則」の意義-」  税理VOL.57No.3(2014年3月)112頁

[148] 西山由美 前掲(注)147 118頁