第6章 法改正における問題点

本章では、事業者免税点制度について行われた主な法改正について、改正後に生じた問題点を見ていくことにする。

 第1章第2節で確認した通り、事業者免税点制度の改正は、再三にわたって細かく行われている。特に平成23年度以降の改正は、内容が複雑化していることから、事業者や実務関係者等に混乱が生じているのが現状である。

 また、改正の方法[194]についてみていくと、消費税法は法5条により原則的に、「事業者が国内において行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務がある」と定めた上で、その例外として、法9条1項により小規模事業者には特例措置として、消費税を納める義務を免除する、という規定ぶりである。ところが、改正された部分は、この特例措置に「特例扱いをして資本金1000万円以上の法人を原則的な納税者に転じさせる、という非常に面倒な規定をしている[195]」状況である。その結果、特例(免税事業者)の特例で原則(課税事業者)に戻るという、複雑な規定[196]になっている。


[194] 平成15年度改正の免税点の引き下げの改正以外の改正について見ていくことにする。

[195] 鎌倉友一 前掲(注)115 35頁

[196] 本論で取り上げたものの他にも、法第10条(相続があった場合の納税義務の免除の特例)や法第11条(合併があった場合の納税義務の免除の特例)、法第12条(分割等があった場合の納税義務の免除の特例)といった多くの派生規定が存在する。