源泉所得税について、お話しいたします。
源泉徴収とは?
源泉徴収とは何でしょうか?
源泉とは、文字通り「源(みなもと)」のことであり、徴収とは「差し引く」ことです。
つまり、事業者(給料を支払う源)が従業員のかたの給料から税金(所得税)を差し引くことを源泉徴収といいます。
源泉所得税の対象となる所得とは?
源泉所得税について知ってはいるけれど、実際に誰が対象になるのか?
わからないかたもいるようです。
わからないために源泉徴収しなければいけないかたがいるのに、源泉徴収していない、という事業者のかたも多いように思います。
原則として、給料を支払うすべての事業者のかたが源泉徴収義務者になります。
例外として「常時2人以下の家事使用人のみに対して給与等を仕払う給与等」については、源泉徴収しなくて良いことになっています。
この家事使用人というのは、なんとなくご家族のことかと思ってしまいますが、違います。
実際には「女中」や「下男」といった人のことを指し、現代日本では、そのような人はおそらくほとんどいないでしょう。
強いていえば、政治家や落語家の家で、先生や師匠の身の回りの世話をしながら修行している「書生」や「弟子」といったところが該当するのかもしれませんが、そういったケースはレアですよね。
したがって、給料を支払うかたはほとんどすべてが源泉徴収義務者になりますし、その支払う給料は源泉所得税の対象になります。
税額の計算方法は?
では、その従業員のかたの源泉所得税はどのように計算するのでしょうか?
税務署に聞く?税理士に聞く?
どちらも間違いではありませんが、面倒臭がられてしまうかもしれません。
この源泉所得税は、「給与所得の源泉徴収税額表」を使って計算します。
計算といっても、難しくはありません。
一覧表形式に税額が掲載されているので、表の中から該当する金額を探してくるだけのことなのです。
この表は、税務署にいけばもらうことができますし、ネット上にも落ちています。
国税庁HP 給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分月額表)(1から7ページ)
税務署の職員のかたや税理士に面倒臭がられるというお話しをしたのは、彼らも、この表にあてはまる税額を探してお伝えしているという作業をしているだけですので、内心は「この表から、探してください」で終わらせたい、と考えているからですね。
とはいえ、この税額表、分かりづらい部分もあるのです。
では次回、この税額表の見方、使い方にについて、お話したいと思います。