10種類ある所得の続きです。
前回の投稿では、10種類ある所得のうち、総合課税のものをご紹介させてたいだきました。
今回は、他の所得と合算できない分離課税の所得をご紹介いたします。
分離課税の所得
分離課税の所得は、3種類です。
⑨ 山林所得
一般の方には馴染みがうすいと思いますが、山林所得とは林業の営む方の所得です。
事業所得の仲間ではありますが、若干計算方法が違います。
売上-経費といった計算の他に特別控除額として最高で50万円が認められています。
林業については、一般の事業と違って山に木を植えてから伐採して収入化するまでに長期的な時間がかかることから、他の事業所得とは違った扱いになっています。
⑨ 退職所得
退職所得とは、退職時に受け取る退職手当のことです。
普通の給与所得とは区別されて、独立した所得として扱われています。
これは、退職所得については受け取った方が、今後収入が発生しない恐れがあることから担税力(税金を負担する能力)が弱いと考えられるためです。
そのため給与所得よりも税負担が優遇されていて、税金がかかりにくい仕組みになっています。
譲渡所得には分離課税もあります
前回の投稿でご紹介した譲渡所得は総合課税のものと分離課税のものがあります。
分離課税になるものの代表的な例が、株式の譲渡と土地・建物等の譲渡の2種類です。
ちなみに、上場株式の譲渡所得の税率は20.315%です。
この税率は株式を売買して利益が出たときに適用されます。
また、上場株式等の配当金についても、この税率が適用されます。
ここで問題となるのが上場企業のオーナー社長です。
彼らの中には、配当金を毎年数千万円~数億円という巨額で受け取る方もいます。
中でも日本有数の大企業であるソフトバンクの孫社長は、100億円を超える配当をもらう年もあったようです。
そういった超富裕層の方でも、税率は一般の方と同じ20.315%になるのでしょうか?
所得税の最高税率が45%ですので、この税率から見ると、このオーナー社長の巨額の配当収入は税率が低すぎるのでは?と疑問に思われるかもしれませんね。
そこで現在では、こうした大口株主の配当については、総合課税によって確定申告をしなければならないこととされました。
資産管理会社に株を分散して、所得税を下げようとするスキームについても、令和4年度の税制改正で封じられています。