源泉所得税の計算方法
慣れてしまえば、難しくありません
前回の投稿では、源泉徴収税額表の月額表と日額表の違いや、甲欄・乙欄・丙欄について、お話しさせていただきました。
今回は、実例をあげて税額の計算方法を見ていてきたと思います。
ケース1 甲欄を適用するかた
まずは、ケース1として、次のようなかたを計算してみましょう。
毎月、固定給をもらう社員Aさんのケースです。
給与の額 220,000円
社会保険料の額 20,000円
扶養家族の人数 2人
扶養控除等申告書の提出 あり
Aさんのケースでは、まず、給与の額の220,000円から社会保険料の額の20,000円を引きます。
220,000-20,000=200,000円
この200,000円に対する源泉所得税の金額を月額表から探します。
Aさんは、扶養控除等申告書の提出があるため、甲欄で探します。
↑ 月額表の199,000円~201,000円の金額を探します。
あとは扶養人数が2人ですので、2人の部分とクロスする金額がAさんの源泉所得税額(1,530円)になります。
この金額をAさんのお給料から天引きし、税務署に納付します。
したがってAさんの手取り額は、今回のケースでは、
220,000-20,000-1,530=198,470円
になります。
ポイントは、探す金額は社会保険料を引いたあとの金額であることと、扶養の数を考慮に入れることですね。
前回もお伝えしたとおり、扶養家族には15歳以下のお子様はカウントしませんので、その点もご注意ください。
ケース2 乙欄を適用するかた
続いてのケースは、アルバイトのBさん。
Bさんは月給制で、月に一度のお給料が支払われます。
給与の額 60,000円
社会保険料の額 なし
扶養家族の人数 なし
扶養控除等申告書の提出 なし
Bさんは扶養控除等申告書の提出がないため、乙欄の摘要になります。
お給料の支払いは月に一回のため、月額表を確認してみましょう。
今回のケースでは、社会保険料もないため、給与額は60,000円で探します。
扶養控除等申告書の提出がないので、乙欄を探します。
すると乙欄の一番上の部分(88,000円未満)に該当しますね。
この部分の言葉を拡大すると、
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額の3.063%に相当する金額
という言葉があります。
これに沿って計算すると、
60,000×3.063%=1,837円
となります。
1円未満は切り捨てです。
よって、Bさんのケースでは、60,000円から1,837円を引いた58,163円が手取り額になります。
天引きした1,837円は、税務署に納付することになります。