源泉所得税の計算
続きです。
前回の投稿では、源泉所得税の甲欄と乙欄に該当するかたの実例をみてきました。
今回は、続きをお話しいたします。
ケース3 日雇いのかた
ケース1の固定給社員やケース2のアルバイトの月給のかた以外にも、例えば現場労働者で1日だけ仕事を手伝ってもらう日雇いのかたや、ケーキ屋さんのクリスマスシーズンに数日だけ働いてもらう臨時スタッフなどのパターンもありますね。
そういった日雇いのかたについては、扶養控除等申告書の提出があってもすべて「丙欄」が適用されることになります。
国税庁HP 給与所得の源泉徴収税額表(令和4年分日額表)(8から14ページ)
丙欄では、日払い額が9,300円未満であれば、源泉所得税はかかりません。
したがって、先のクリスマスシーズンのケーキ屋さんのヘルプに来たかたに日払いで支払う金額が9,300円未満であれば、源泉所得税を考える必要はなく、全額をお渡しして問題ありません。
ですが、日雇いの職人さんに1日の現場労働をしてもらって例えば、3万円を支払うというケースではどうでしょうか?
この場合は、日額表で3万円の欄を探します。
すると小さい字で、
989円に、その日の社会保険料等控除後の金額の給与等の金額のうち26,000円を超えう金額の20.42%に相当する金額を加算した金額
という文が見つかります。
この文通りに計算していきましょう。
989+(30,000-26,000)×20.42%=989+816=1,805円
このような計算になり、日給3万円の職人さんの源泉所得税は、1,805円と求まりました。
この金額を天引きして、税務署に納付することになります。
ケース4 パートさん・社員さんで支払いが週ごと、日ごとのかた
パートさんや社員さんのかたでも、給料の支払いが月払いではなく、日払いだったり、週払いだったりするケースもありますね。
そういった支払いが「毎日」「週ごと」「日割り」といったペースのかたは、月額表ではなく日額表を使うことになります。
日額表を使うかたでも、扶養控除等申告書の提出があるかたは、甲欄の適用になり、提出がないかたは乙欄の適用になります。
表の使いかたは、前回見た月額表のかたとまったく同じですので、そちらをご参照ください。
日払いしているケースでは、1日あたりの給与額が少ないことから、源泉所得税をひかずに全額わたしてしまうというケースが多いように思います。
そういったかたでも、しっかりと年末調整や確定申告で正しい税額を納めていれば良い(正しくはありませんが。。)のですが、そういうケースでは、いずれもしていないというパターンが多いように思われます。
源泉徴収は給与支払者の義務になりますので、しっかりと源泉徴収をしましょう。
わからない場合は、税理士にご相談することをおすすめいたします。